2022/11/08【第12回】場所別カビのお掃除方法 ~洋室~
前回は和室のお掃除についてご紹介しましたが、今回は洋室のカビにスポットを当てたいと思います。
現代の日本の住まいは、洋室の割合が高くなりました。和室はカビの生えやすい日本に適応して生まれたもののため、洋室は和室に比べてカビの生えやすい環境となりがちです。
今回は洋室の中でも、カビが生えやすく、気づきにくい意外なところの掃除法について紹介します。
カーテンお掃除
カーテンは、毎日開け閉めするので、空気がこもらずカビも生えにくいと思いがちですが、実は意外とカビの生えやすい場所です。
窓は結露でカビが生えやすいことはすでに説明しましたが、その窓の近くにあるカーテンに飛び火する可能性があるということです。
普段は気にしないカーテンの生地を注意深く見て、黒いポツポツを見つけることがあったときは要注意です。そのままにしておくと、風がカーテンを揺らすたびにカビの胞子をばらまいているかもしれません。
カーテンのカビ除去は洗濯が効果的ですが、まずはカーテンを取り付けている状態で表面のホコリと取ってあげましょう。カーテンが湿っているようでしたら、しっかりと乾かします。
次に、実際にカビを取る作業です。
薬剤は、洗剤も有効ですが、お風呂用のカビ取り剤が効果的です。カーテンのカビに直接カビ取り剤をたっぷりとスプレーしてしばらく置いたあとに、乾いたタオルを添えて、カビを裏からブラシで叩いてタオルに移します。(色落ち等の可能性がありますので、一度目立たない箇所でテストしてからご使用ください。) 最後は洗濯ですが、その前に水でカビ取り剤を流しておきましょう。
洗濯をするときは、カーテンの生地によってどのように洗うかを見極める必要があります。一般的なカーテン生地であるポリエステルは、洗濯による収縮も少なく、しわになりにくいのですが、綿だと洗濯の後にアイロンがけをしないと縮みが伸ばせません。
アクリルは、熱に弱いためアイロンは不向きですから、干すときにしっかりと伸ばしながら干すようにしましょう。レーヨンは、収縮が大きいので洗うことはできません。クリーニングに出すことをお勧めします。
洗えるものは洗濯ネットに入れて、おしゃれ着洗いで洗濯します。干すのは、日差しによる変色を避けるため陰干しにしましょう。レースカーテンは、塩素系の漂白剤でもみ洗いをしたあと洗濯するときれいに落ちます。
せっかくカーテンを洗ったのですから、そのあとにカビがつかないようにカビ防止の対策をしましょう。消毒用のエタノールを霧吹きなどにいれて、カーテンをかける窓に吹きかけます。窓にかけることで、窓にもカーテンにもカビ防止になります。
ソファのカビのお掃除
第2回の意外なカビの生えやすい場所でも触れましたが、空気の流れが悪く、ホコリが溜まりやすい場所にはカビが発生しやすくなっています。
特にソファのような脚の短い家具は空気が滞留しやすく、ホコリも溜まりやすいです。また、ソファでお菓子を食べたりしていると、こぼした場所がカビの生息地になってしまいます。
ソファには、布製や革製等様々な材種のものがあります。それぞれ材種によってカビ対策が違いますので、自分のソファの材種に合わせてしっかりと対策をしましょう。
しっかりとしたソファが多い革製のソファは、革が熱や水に弱いので、注意深くお手入れする必要があります。
革用の専用クリーナーを利用するのが良いですが、スエードや裏革等の場合は、より繊細な材種になりますので、カビ取りは専門のクリーニングに出すことをお勧めします。
布の場合は、革に比べると簡単です。
消毒用のエタノールを布などにつけて、軽くたたくようにカビを拭き取っていきます。ソファーカバーが取り外せるのでしたら、ソファーカバー全体を酸素系漂白剤を入れたお湯に数時間漬け込みます。(繊維が傷む場合もありますので漬け置きの時間には注意してください。)
これで大抵のカビは取れてしまいますが、取れない場合は、ブラシで取ると簡単に取れます。そのあと通常の洗濯をして、しっかりと乾かしましょう。
ソファーカバーが外せない場合は、消毒用のエタノールを布などにつけて、軽くたたくようにカビを拭き取っていきます。そのあとエタノールを固く絞った濡れタオルで拭き取り、その水分を乾いたタオルで取るようにします。エタノールの臭いがしなくなるまで行うのが目安です。(色落ち等には充分注意してください。)
ベッドのカビのお掃除
和室編でも紹介した寝具の掃除ですが、今回は洋室編ということで、ベッドに敷いているマットレスについても紹介していきます。
マットレスも布団同様、寝るたびに発汗していますので湿気がたまりやすくなります。できたら、布団のようにたまに干すのが一番ですが、あの重いマットレスを移動させるのは一苦労です。
カビを発生させないように、起きたら掛布団をはがすようにするだけでも、随分湿気の溜まりやすさが変わります。また、除湿シートを利用したり、たまに頑張ってマットレスを壁に立てかけたりしてあげても良いでしょう。
それでもできてしまったカビは塩素系漂白剤を利用して落とします。
キッチン用の塩素系漂白剤をカビに染み込むまでつけます。次第に黒い色が落ちてきますので、落ちたらお湯で濡らしたタオルをしっかりと絞って、たたくようにして拭き取ります。そのあともう一度、今度は乾いたタオルで水分を取るような気持ちでたたくようにして拭きあげます。
漂白剤が取れたのかどうかは臭いでわかりますので、臭いがしなくなるまでしっかりと取ることが大切です。
最後にしっかりと乾燥させてください。
洋室は生活の場であり憩いの場ですね。健康的な毎日を送るため、カビが発生しないような環境にしましょう。
第13回はエアコンの掃除についてです。